吉田神社

本地で唯一なる神

吉田神社は京都の北東部、東一条通の東端にあり、近くに京都大学があります。吉田神楽岡の西麓に鎮座した社は、節分の日には多くの参詣客を集めます。また吉田神社は吉田神道と呼ばれる独特の教義が根付いています。

吉田神社本殿

本殿の屋根の傷みが目立っている

吉田神社の歴史

吉田神社は859年(貞観元年)に藤原山陰が一族の氏神である奈良春日神を勧請し、以って平安京の守護神としたのが創建の由来とされています。これは藤原氏が平城京の春日神社、長岡京の大原野神社を創建したのを踏襲したものです。御堂関白藤原道長は当社を以て氏神社とし、法成寺を以て氏寺としました。これほ春日社の興福寺に当たるのを踏襲しています。祭神は健御賀豆智神・伊波比主神・天之子八根命・比売神の四柱の神を祀っています。早くから皇室の尊敬を集め、式外社ではありますが991年(正暦2年)に二十二社の幣例に入り、祭祀奉幣の礼は大原野神社に準ぜられました。鎌倉時代に卜部氏(後の吉田氏)が神職を継いでからは、子孫世襲となり、室町時代に吉田兼倶が唯一神道を唱えて、吉田流神道の宗家として全国の神職界に絶大な権威を誇るようになりました。境内には幾つもの摂社・末社があります。摂社の神楽岡社は、神楽岡地主の神といわれ、大雷神・大山祇神・高寵神を祀っています。創建は古く、延喜式に霹靂神祭三座とある神社で、雷除けの神として崇敬されています。その南にある摂社若宮社は天忍雲根神を祀り、末社神龍社ほ卜部兼倶を祀ります。末社菓祖神社は、田道間守公・林浄因を祀り、同じく末社今宮神社は木瓜大明神ともいい、大巳貴命外二柱を祀る吉田町の産土神で、社の四隅に中国の大極殿を模したという厄除けの青龍・白虎・玄武・朱雀の四神石があります。

吉田神社舞殿

舞殿には床がない

吉田神社を語る上で、吉田神道を外すことは出来ません。吉田神道は先に記した通り、吉田兼倶が教義の殆どを定義したと言われています。その教義は独特で、日本古来の神道とは多くの違いがあります。古来から日本神道は本地垂迹と呼ばれる考えが中心で、それは神の本地(本来の姿)は仏であり,仏が日本人を救うために神となって垂迹(仏が衆生を救うために仮の姿をとってこの世に現れること)したという神仏習合の考えの根本です。しかし吉田兼倶は本地で唯一なるものを神として森羅万象を体系づけ、汎神教的世界観を構築したとされています。それを反本地垂迹説といいます。この教えは多くの反発を生みましたが、江戸幕府からは大きな庇護を受けました。しかし明治政府により古代の官制に基づく神祇官が復古されてからは、かつての勢いはありません。

吉田神社の散策

菓祖神社

菓祖神社はお菓子にまつわる神様

吉田神社は東山一条の交差点を東に進むと、参道が見えてきます。吉田山の登り口になる坂道を上がると、左手に社が見えてきます。鳥居を抜けると舞殿があり、その奥に本殿があります。丹塗りの社殿に萱葺きの屋根は、厳かな雰囲気があります。ただ、屋根の萱は痛みが目立ちますが、一部の社殿は屋根が葺き替えられて、綺麗になっています。本宮は四社あり、正面右から健御賀豆智神・伊波比主神・天之子八根命・比売神がそれぞれ祀られています。その四社も綺麗に丹塗りされていて、厳かな雰囲気を醸し出しています。社殿をよく見ると、柱などに三つ巴の紋と野球のホームベースのような紋があります。これまで色々な神社を見てきましたが、この様な紋が入っているのを見たことがありません。社務所でそのことを尋ねると、三つ巴の紋は水難除け、ホームベースのような紋は神依り代としての剣であろう、とのことでした。本殿前にある舞殿を見るとオーソドックスな感じで、天井画などはありません。本殿右手には、直来所があります。

吉田神社大元宮

大元宮のお社は八角形。独特な雰囲気がある

吉田神社には、多くの末社及び摂社があります。その中で重要なのが、本社の東南一町余の地にある大元宮です。正式には斎場所大元宮といいます。1601年(慶長6年)の建築で、平面八角に六角の後房を附し、屋根は入母屋造茅葺き、棟に千木をあげ、中央に露盤宝珠、前後に勝男木を置く、複雑な形式です。これは神仏習合・陰陽五行の諸説を汲んで、当時の神道家の理想をそのまま建築に現していると言われてます。後宇多天皇が卜部兼邦に命じて、勧請させたと伝えられていて、もと吉田家邸内にあつたのを文明年間、吉田兼倶がこの地に遷したもので、江戸時代に於てほ朝廷より奉幣使派遣のときに神祇官代として、その儀式を行ないましたが、明治維新後は取りやめになりました。大元宮の周囲には多くの末社があり、奥には伊勢神宮の内宮と外宮がありました。これまで色々な神社を訪ねて末社・摂社を見てきましたが、伊勢神宮があったのは初めてです。これは大元宮に参拝することは、日本の全ての神社を参拝したことと同じであるとし、神社自体の格も伊勢神宮よりも上であるとした、吉田神道の考えをそのまま形に表した吉田神道の考えに根付いています。

アクセス

〒606-8311 京都市左京区吉田神楽岡町30番地

TEL  075 771-3788

京都市バス「京大正門前」停留所より徒歩 約5分

駐車場  あり

拝観料:無料

上記記事は2018年11月に取材したときのものです

その他詳しくは公式ホームページをご覧下さい

ホームページ  : http://www.yoshidajinja.com/

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